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魔物使いのリュカとブラウニーのやる夫 第21話 【回想録 魔の胎動】
- 218 : ◆V/FGdX7aTo : 2012/10/13(土) 14:07:16 ID:lpEL6g9M0
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人が魔に染まる瞬間があるとすれば、どんな時だろうか。
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人は倫理を持っている。
十善、法律、道徳――人が作りしルールに則り、
推奨される行為と禁ずられる振舞いを定めるのだ。
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.- 219 : ◆V/FGdX7aTo : 2012/10/13(土) 14:07:32 ID:lpEL6g9M0
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十悪の中で頭に定められる"殺生"。
何百年と言う人間の歴史の中、常に悪たる行為とされ、
道徳観念において肯定されることのなかった概念。
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すべからく持つはずの倫理観念を破り、その手を血に染め、
大義や詭弁を説くことでその行為を正当化する。
そんな過去が、幾度となく人の歴史で刻まれてきた。
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.- 220 : ◆V/FGdX7aTo : 2012/10/13(土) 14:07:57 ID:lpEL6g9M0
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人はなぜ過ちを繰り返すのか。
その心が悪と定めるはずの行いに意志を持って踏み込み、
非道と呼ばれるを厭わぬ狂気に染まる人間は数知れない。
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生きるために、奪う。守るために、殺す。
偽善、必要悪――善を揶揄する言葉が作られ、
さも悪を肯定するかのような言葉がやがて作られる。
そんな言葉が恣意的に使われる日々も訪れる。
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.- 221 : ◆V/FGdX7aTo : 2012/10/13(土) 14:08:19 ID:lpEL6g9M0
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魔物が跋扈するこの世界。
己が正義を見失い、狂気を纏い、心を闇に染めた者は
やがて世を取り巻く瘴気に充てられ魔物と化する。
そういった、史実に基づいた逸話がこの世界にある。
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心ある者達はそれを『魔道に堕ちる』と形容する。
かつて世界を恐怖に陥れんとした大魔王の一字を取り、
人の理の反に進むものを"魔"と称するようになった。
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.- 222 : ◆V/FGdX7aTo : 2012/10/13(土) 14:08:36 ID:lpEL6g9M0
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己が掲げる正義を正当化し、盲信し、
過ちであるはずの道を進むを厭わなくなった時。
それが、人が魔道に堕ちる時の最たる道。
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魔の裏には常に心がある。
人の心が善を生み、悪を生じさせ、魔を形作る。
意志と遺志の数々が、心ある者を魔道に引きずりこむ。
それをまた別の"魔"が、同胞の誕生を笑うのだ。
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.- 223 : ◆V/FGdX7aTo : 2012/10/13(土) 14:08:49 ID:lpEL6g9M0
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心ある者が魔道に堕ちる時。
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{ ! 、,ゝ===く:::: _ 、,ゝ===く:::: ! }
ィ彡三ミヽ `ヽγ `ヾ, 、 γ `ヾ, /` ィ彡三ミヽ
彡'⌒ヾミヽーく( r,J三;ヾ )> く( r,J三;ヾ )> ー彡'⌒ヾミヽ
ヾ、 ; {三●;= } ,= ′ ヽ;{三●;= } ,=ソ /
_ `ー―'ゝ≡三=ノ ゝ≡三=ノ `ー―'
彡三ミミヽ 彡三ミミヽ
彡' ヾ、 _ノ __r-'7: 7: : : :/: :ミト.. \_ ヾ´ ´ミ
`ー ' /:/:/: {:{: {: : : /: :_:ヽ: : :\ `ー ´
,ィ彡三ニミヽ __ノ ∠: : ≦二二二二ニニミ>: ∧ ,ィ彡三ニミヽ
彡' r':/: : : : : :二二二二二: : : : : :\ ミ'
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,ィ彡' }: : : :,>'´::::::::!::::::ハ:::ヽ:::::<: : : : :{ ,ィミ'
ミ三彡' /⌒ ム-'::::::|::::|::::::::ト:::-┼::::}:::ヽ:::::\_: :〉 ミ三ミ'
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` }ヽ:::::ノ: :〈/⌒ー―‐'´ `ー- 、  ̄ヽ:}\!
rf{:「廴〈//i  ̄`Y\{
-=彡{:ハ:ー: :/:' : 人 ヽ ノヾ.:.}
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これはかつて、一人の少女を魔道に堕とさんとする大魔王が、
彼女の宿命を操る糸を引いた、かつての日の物語。
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